2010年8月6日金曜日

大学・大学院の数学(確率解析)

今回は確率解析に関する本です。私の専攻によってファイナンス系の専門書によりがちですが、ご了承願います。ここで話すレベルは大学4年~大学院1年生のレベルです。

確率解析はブラウン運動や伊藤積分、伊藤の公式、確率微分方程式について勉強します。おおざっぱにいうと、ブラウン運動は粒子などがあっちこっちに動く現象のことで、それを定義して積分しようというのが確率(伊藤)積分で、それが入った方程式を確率微分方程式いいます。伊藤の公式は、ブラウン運動が入ったときの合成関数の微分の公式(連鎖律)みたいなものです。たとえば、(色んな仮定は所与として)df(W(t))=f'(Wt)W'(t)dtなのですが、Wがブラウン運動だとこれにf"(W(t))dt/2が加わります。

この確率解析に関する本(確率微分方程式という名がついている本など)もたくさんありますが、かなり抽象的に書かれてある本がほとんどです。そういった本で挫折しそうな人は、以下の藤田先生の本がおススメです(誤値もあるので注意)。



数学科の人にとっては、確率微分方程式の解がちゃんと存在するのかということと、一意性があるのかということをチェックすることは当たり前なのですが、そんなことを全員の人が知る必要はあまりないでしょう。それを理解するのに何時間もかかるのに、

dXt=dWt+(y-Xt)dt/(T-t)

の解がブラウン橋(ある期間ではじめと終わりの位置がわかっているブラウン運動)になることを示すことができなかったり、ファイナンスで有名なオールンシュテイン・ウーレンベック過程の確率微分方程式の解を求めることができないのは・・・という感じです。(もちろん、確率微分方程式の解の存在と一意性を示すことができる人は、ちゃんとやり方さえ教わればできるので、まあ問題はないといえば問題はないとは思いますが。)。

確率微分方程式を勉強してきたけど、定義や定理にうんざりしていて、高校の時のように計算をバリバリやりたい人にとってはおススメです。

さらに洋書が読める人には以下の本をすすめます。最近みつけた本で、いい本ではないかと思います。



これもちゃんと問題の解答がついていて、丁寧に記述してあります。またぎっしり書いてなくて、読みやすく、定義や定理ばかりにうんざりしている人にはおススメです。

あと以下の本もわかりやすいです。



他は有名な本で、私も舟木先生や小川先生の本を使っていました。舟木先生の本もわかりやすいです。



小川先生の本には、確率微分方程式の数値計算なども紹介されてあります。



下の本はほとんど使っていませんでしたが、定評があるようです。ただ、数学科以外の人が使うのはちょっと大変かもしれません。



これも定番みたいです。



ファイナンスに関係する専門書は以前にも紹介したシュリーブが有名です。1番目の本はファイナンスと確率解析の入門の入門という感じです。2番目の本が本格的でしょう。練習問題の解答はないのですが、数式だけではなく、きちんと数式の意味を文章で説明してあるので、イメージしやすいです。測度論的確率論の勉強などをされている人は、1、2章はとばしてもよいでしょう。3番目の本についてなのですが、初心者にはあまりおススメしません。上に紹介した本が読めるようになったら、だいぶ理解できるようになるかと思います。







他には、(しっかりと読んだことはないのですが)池田先生と渡辺先生の確率微分方程式の本(ikeda,wadanabe:stochastic differential equations and diffusion processes)が有名で、多様体上における確率微分方程式についても載っています。マリアバン解析という無限次元の解析については以下の本がいいようです(というかこれらくらいしかありません)。






他にもあるのですが、紹介する本が多くなってきたので、以上です。

大学院受験について

今回は大学院受験(一般論)について述べようと思います。

一般的に大学院受験についていうと、大学受験ほどは勉強しなくていいと思います。やる科目といえば、専門科目と英語(TOEFLやTOEIC)くらいです。これらを一生懸命頑張ってくださいという他ありません(笑)。難易度も大学受験ほどではなく、東京大学や京都大学ともいえどもそんなに難しいことはないでしょう。大学でしっかりと勉強してきた人にとっては、それほど困難に感じることもないと思います。

ただ、研究科や専攻によっては倍率が高かったり、難易度が高いケースもあります。たとえば、京大の数理解析研究所などは難関です。また、大学院受験科目が専門科目と英語の他にもある専攻もあります。逆に、試験はなくて私立大学などは推薦でいくケースもあります。

そのまま大学で研究するもよし、ちょっと環境を変えて研究するもよし、どちらでもいいと思います。私は前の大学でもよかったのですが、学費が高かったのと、ちょっと環境を変えてみたいという気持ちがあったので、外部受験をしました。東京大学は家庭の経済状況によっては学費が安くなり、私も入学金と授業料が半額になりました。奨学金の1種(無利子の奨学金)も借りやすく、私もそれを借りて大学院で勉強できています。(また、この1種も大学院での勉強を頑張れば免除の道もあるようなので、それを申請しようかと考えています。)

内部進学か外部進学がいいかは人によると思うので、しっかりと調べてから受験されるのがよいと思います。

ちなみに大学院(修士)卒の就職状況についてなのですが、そんなに学部と変化するようなことはないと思います。いわゆる私は「学歴ロンダリング」という立場になるのですが、とくに洗浄したいなどと思ったことは全くありませんでした。特定されるのがいやなので、前の出身大学名はふせてありますが、とてもいい大学だったと思います。就職のためだけに東大院にくるのはどうかと思っていて、それほど就職に影響するようなことでもないと考えていました。

まあ本人がいいと思うのならばいいのではないかと思います。学歴ロンダリングはいいことでも悪いことでもありません。選択肢の1つとして、東大や京大の院へ行くことを考えるという程度で、そんなにおおげさなことではないかと思います。

東大などの高学歴な大学院へ入るメリットをしいてあげるとすると、東大生や京大生にビビらなくなることくらいですかね(笑)。もちろん、勉強量が半端ではなくて、すごい人たちもいるにはいるのですが、ほんの一部です。あとはいい意味で普通の大学生という感じがしました。そんなに変な人もいません。あとは、東大生専用の就職説明会に参加できることくらいで、食事ができるものがあるので、おいしいといえばおいしいです。しかし、選考段階で有利に扱ってくれるかというとそうでもないみたいで(ただ、学歴フィルターはあるようです)、面接に入ったらその人次第という感じでしょう。

今いる専攻はとても自由で、好きなように勉強させてもらっています。勉強会なども自分たちでテーマを決めてやっている人たちもいたりして、いい意味で放任主義な専攻だと思います。また同期だけではなく後輩・先輩に超優秀な方たちもいるので、かなりの刺激(時にはつぶされそうなくらい(笑))を受けています。

就職活動もかなり熱心にやる人もいて、外資系に決まった人も何人かいるようでした。私も外資系企業のインターンに参加したり、説明会に参加したりしました。しかし、ファイナンシャル・エンジニアやクオンツ系の職種の採用はほとんどなく、とっても1~2名ほどみたいだったので、エントリーしませんでした。とにかく外資がいい(給料が高い方がいい)と思っていたらエントリーしまくっていたと思いますが、給料にそれほど価値をおいていなかったので、特に外資にこだわりはありませんでした。(外資を目指しているわけではないけど時間に余裕のある方は、面接の練習だと思って受ければいいのではないかと思います。)

また就職に関して主観的な意見を述べると、「大学の勉強は単位を落とさない程度にやる」というのが賢いでしょう。研究者などを目指す人以外は、要領よく大学の勉強をやってください。もちろん私自身はそれはおかしいと思っているのですが、「企業の採用担当者がほとんど大学の成績を重視していない」ので仕方ないです。学問的な力がある・大学の成績がいいからといって、就職活動がうまくいくとも限らないみたいです。逆に、大学や大学院の成績や研究成果はぱっとしないのに、難関といわれる企業に内定をもらっている人もいました。大学の勉強に関しては、よほど何かの研究成果を上げていないと、アピールにはならないかと思います。まあ、企業も「使える人・企業に貢献できる人・利益を出せる人」をほしいと思っているので、大学の成績は関係ないとみているのでしょう。

他は、政府系の機関や官公庁に就職する人、監査法人に就職する人、また博士の道に進んで教授になりそうな人もいます。そういった意味で東京大学などの高学歴な学校は刺激を受けます。私語がうるさくて、授業中に教授が学生に対してどなることもめったにありません(笑)。

大学院受験が難しくないとはいえ、全く何もしないと多少は不安になるかもしれません。外部受験をしたい人は、先輩に話を聞いたり、ホームページなどをチェックするなどして、対策を考えるとよいでしょう。そして、大事なのは過去問をしっかりとやることです(大学院受験に限ったことではなく)。どのくらいのレベルの問題が解けるようになればいいのかがわかるので、勉強もしやすくなると思います。

ちょっと話がずれたところもありましたが、大学院受験に関しては以上です。

大学の数学(確率論)

今回は確率論に関する専門書の紹介です。

確率論は高校までの確率論とは違って、かなり難しいと感じる人がいるかもしれません。実際に、何かの確率を求めるようなことはほとんどなく、「サイコロを振ると、どうして1が出る確率が6分の1になるか」というようなことを考えて、定理などの証明がほとんどで、文字ばかりでてきます。

それで面白くないという人もいますが、高校までにはなかった厳密性もあり、さらに確率論が色々な分野とつながっているということも学べるので、とても面白い科目だと思います。

以下はおすすめの本です。



測度論の知識がないとちょっとわかりにくいかもしれませんが、測度論を勉強する意味や確率論が他の分野とつながっているということを知るにはよい本だと思います。確率論を勉強する際に、大数の法則(サイコロを何回もふると出る目がそれぞれ6分の1に近づく)と中心極限定理(サイコロの平均に関する定理)という大事な法則と定理があり、ほとんどの専門書に載っていますが、大偏差原理(偏っているところを調べるもの)について書いていある日本の書籍はこの本くらいでしょう(あとは、最近見つけた『統計力学』と『マルコフ過程』にもちょっと載っていました。)。また、お見合いをする際に、どこで結婚を決めたらいいのかとか、モンティ・ホール問題についても厳密に議論されています。この問題の解答としては、「ドアを絶対に変更した方がよい」という人が多くいますが、上の本にも書かれある通り、前提条件によっては変更しても同じになるケースがあります(まあ、せいぜい同じ確率になるくらいなので、変更してもいいのですが、念のために。)

きちんと勉強したい人にススめたいのは、以前に紹介した『マルチンゲールによる確率論』と以下の本です。







また、計算をしっかりとしたい人にとっては以下の本がいいようです。アクチュアリーの試験を受ける人は結構やっているみたいでした。藤田先生の本はとくに、とても丁寧に計算過程が書かれてあります。







ファイナンスに関係する本として以下の本もおススメできます。



大学で確率論を勉強するとなると、抽象論で終わりがちでなかなか計算する機会がありません。上でおススメした本は厳密に定義して定理を証明する類の本ではありませんが、とりあえず計算はできるようになりたい人にとってはおススメできます。

大学の数学(代数学)

専門外なので、あまり口を出すのは怖い(笑)のですが、一応勉強してきたので、軽く紹介します。

今回は代数学の話です。高校までの数学とのつながりでいうと、2つの数の積が交換できるかどうかという問題があります。もちろん、(実数上で考えて)2×5=5×2となるのは当たり前です。これを可換といいます。しかし、これが行列の計算となると違います。一般的には、AとBを同じ次元の行列として、A×B≠B×Aです。非可換となります。また、中学生の数学でも結合法則や交換法則が書いてあり、そういったことを代数学では勉強していきます。



上の本は、大学の数学に全くついていけない人向けの本です。こういった類の本は読みやすく、1日もあれば読み終わりますが、なぜか頭にほとんど残りません。代数学に慣れるという意味で、使った方がいいかもしれません。



これは上の本よりは本格的です。この著者の方は線型代数学の演習書も出版されていて、それに大変お世話になりました。この本も結構わかりやすいと思います。



最後は松坂先生の本です。かなりがっちり書いてありますが、私は辞書的に使ったくらいでした。

すごく簡単な紹介で、ほとんど参考にならなかったかもしれませんが、紹介する本は以上です。ちなみに、代数学は何の役に立つのかという感じもしますが、ちゃんと論理を追うことができるようになると、パズルみたいで面白いと思います。さらに、代数学は役に立たないどころか、インターネットの暗号技術の基礎的な理論の支えになっていたりするので、かなり重要な科目だと思います。



上の本以外にも暗号に関する本はたくさんあります。実は、数理ファイナンスや確率論を専攻する前(大学入学前)には、暗号理論に関する研究をしたいと思って、大学で暗号理論に関する講義を受けたり、専門書などもちょこちょこ読んでいました。量子暗号理論というよくわからない未知の世界にも魅了されて、物理学の道に変更しようなどとも考えたり、企業でもこうったことを研究しているということを知って、その企業のことを調べたりもしていました。しかし、ここではトピックがちょっとずれるので、時間があるときにでも(もっと勉強して)、紹介しようと思います。

2010年8月5日木曜日

大学の数学(ルベーグ積分論、関数解析)

大学3年生くらいになると、それぞれ専門分野(代数、幾何、解析など)に進みます。私は確率系の科目が専門でしたので、主に確率論に関心がある方向けにおおざっぱに説明します。

大学2年までに微分積分学や線型代数の基礎的な部分、集合・位相などを学んだ後は、ルベーグ積分論(測度論)というのを学びます。これはなかなか難しい科目で、私がはじめに出会ったころ意味があんまりわかりませんでした。しかし、この科目を担当されていた先生の講義で面白いと感じることもあり、また先生のレジュメを何度も読み返したり、確率論を学んでいるときに振り返って復習したりしているうちに、だんだんとその考え方に慣れてきました。私のような凡人には一回で理解することはできませんでしたが、いつか理解できる時がくると信じて、勉強していました。

私が教わった大学の先生のレジュメをアップすることはできませんが、この分野に関しておすすめできる専門書をいくつか紹介したいと思います。



厳密さを失うことなく、丁寧に書いてあります。しかも、練習問題は解答付きで自習に向くでしょう。しかし、誤値がたくさんある(といっても、明らかにわかるものばかり)ので、しっかりと読み進めるとよいと思います。



確率論を専攻している人ならば、聞いたことはない人がいない(?)というくらいに有名な本です。定評があります。この本のはじめの章は飛ばす人が多いようです。



これは分厚い本ですが、結構初歩的なところから説明してあります。私は一番上の本などを読んでいたので、この本は立ち読みしたくらいでしたが、みた感じ結構いいのではないかと思い、紹介しました。

最近はルベーグに関するわかりやすい本も出てきていますし、復刊も多くでています。上の本がいいとはいっても、あうあわないはあると思うので、書店で読んだり、アマゾンの検索を使って、使いやすそうな本が一番いいでしょう。

あと重要な科目は関数解析です。いいといわれる専門書はあるのですが、私があまり関数解析学になじんでいないせいか、初学習者にとっていい本というのがわかりません。一応、参考までに使っていた本は下の本です。



ぱっと見ですが、以下の本もよさそうでした。





大学3年生で学ぶべき科目は他にもたくさんあります。代数学や多様体、微分方程式などあり、確率論も大学3年生で学びます。代数学や多様体などは専門外なので、あまり参考にならないかもしれませんが、1~2冊くらい私が使っていたものを紹介します。微分方程式や確率論は結構勉強していたので、これは5冊くらい紹介できます。今回は長くなったので、次回以降にまわします。

2010年7月28日水曜日

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?



ファイナンスに興味はあるけど、全く知識がない人にとってとてもためになる本だと思います。もちろん、数学理論バリバリでファイナンスを勉強してきた人にとっても、よい本です。難しい用語もあまり使わずに、中学生や高校生でも読めると思います。これでお金が稼げるようになるとは限りませんが、少なくとも変な投資の話などには騙されないようになるでしょう。

よく日本人は投資などのようなバクチはせずに、まじめにコツコツと働くことが一番だといわれています。確かに、この本にも最後の方で「お金があんまりない人は、下手な投資はしない方がいい」と書かれていて、私自身もそうだと感じています。

しかし、実態をよくみてみるとそうではありません。日本人はかけごとが大好きだと思います。たとえば先日、銀座に遊びに行ったときに、宝くじ売り場に行列ができていました。もちろん、「夢を買うんだ」という人の意見を否定するつもりは毛頭ないですが、なぜあんなに集中して並ぶのかが不思議でなりません。どこで宝くじを買おうと、当たる確率は変わらない(意図的な操作などがなければ)からです。これは細野さんの本にも書いてあったり、ちゃんと確率の勉強をしてきた人にとっては当たり前のことです。あんなに当たりくじが当たるのは、買う人の数(母数)が多いからなんです。宝くじを100万枚売って1人当たるのと、1000万枚売って10人当たるのとでは、「当たる確率は同じ100万分の1」のはずです。

また、宝くじの全体的なリターンを考えたら、確実にマイナスとなります。なんで1億円とか2億円を当選くじとして支払うことができるのかというと、宝くじを買う人たちがいるからです。宝くじを購入した人たちが1億円や2億円を払っているようなもので、さらに余分なお金は国(地方)に持っていかれてしまうんです。パチンコや競馬なども同じです。もちろん、儲けようと思わずにエンターテイメント的に楽しむだけならいいと思います。全く否定するのも、世間の常識(?)的なお話についていけなくなるからです。私の父は「こんなことは、ちょっとだけお金をかけて楽しむ程度がよい」と、私が小さいころから言っていました。

冒頭にも申し上げたように、この本を読んだからといって簡単に儲けることはできないでしょう。ただし、もう「ここの宝くじ売り場が当たりやすい」というような話を信じるようなことはしなくなるでしょう。お金の話になるとどうしも「儲ける」とか「稼ぐ」とか増やす方向に目が向きがちですが、「お金を賢く減らさない」というのもとても大事なことなのです。

ちなみに、著者の方は数理系の研究をされていて、その後に外資系投資銀行でクオンツとして働かれているみたいです。この本が出た時期がちょうど好景気でリーマンショック前だったので、結構景気がいい話も書かれています。しかし、以前の日記に紹介したようにゴールドマン・サックスなどはあのリターマンがいたクオンツ事業をなくしたり、ドイツ証券もクオンツ系の事業をなくしたという記事を先日見た気がします。他の外資系金融機関でも、リーマンショック後つぶして、リストラしているところもありました。

ただし、この不景気の中でも、一部のヘッジファンドなどは数理系の人たちばかりを集めて、すごい成績を出しているみたいです。今後クオンツ系の仕事の需要が増えるかどうかはわかりませんが、自分は今までのファイナンスの知識を身につけるだけではなく、視野を広げて新しいモデルを開発することに専念するのみです。

この方はときどき過激な発言をするときもあるような気がしますが、本音で書かれていることもあるので、本を読んでいても、日記を読んでいてもすっきりします。とても読みやすいです。

「お金を稼ぐ」ということを重視したいならば、クオンツのような理論バリバリよりも、営業マン的な人の方が稼いでいるケースが多いようですね。最近、色々な社会人の方とお話する機会が多いのですが、お金持ちの人ほど占いとか風水とかスピリテュアル的な話を信じる人が多いようです。論理的な考え方ができて、論理的な話ができるからといって、いっぱい稼げるとは限りません。いかにサービスをするか(人を満足させるか)、もしくは怪しい投資のお話ようにいかに人をだますか(?)が重要らしいです。もちろん、法的な範囲内ということですが。私はそういった話にあまり関心がないので、お金を稼ぎたいだけだったら違うサイトにいくことをおススメします(笑)。

2010年7月12日月曜日

数学的思考を身につける本

数学って何に役に立つのか。数学ってどうやって使うのか。数学を得意にするにはどうしたらいいのか。これらの理由を説明するのに、たくさんのアプローチがありますが、下の細野先生の本を読めば、数学的思考とは何なのかがわかると思います。

この本に書かれてあったことで重要だと思ったのが、「知識を増やす勉強法ではなく、知識を応用できる勉強法」です。当たり前かもしれませんが、これは試験勉強なんかにも通じる方法です。100のことを勉強して10の知識しか使えないくらいだったら、30のことを勉強して20使えるようにする勉強法のほうがいいでしょう。



インターネットが発達した現代では、検索すれば大抵のことは知ることができるようになったのだから、知識をただ増やすだけではなくて、その知識をどういかすかが大事なんですね。

2010年6月15日火曜日

Googleの検索エンジンと数学

今の時代、何かわからないことがあると、グーグルやヤフーなどで検索することは当たり前になってきましたが、(テレビや携帯電話と同じように)その仕組みはどうなっているのかというと、わからない人がほとんどでしょう。しかし、下の本を読めば、大学の数学で学ぶ線型代数や確率論(主にマルコフ連鎖)、グラフ理論などが検索エンジンの背後にあるということがわかります。



ただし、数学用語のノルム、固有値、ジョルダン形やマルコフ連鎖、推移確率行列やグラフのノードとか全く聞いたことがないという人にとってはちょっとしんどいかもしれないので、この本の15章にある数学的基礎を読んだり、線型代数、確率論、グラフ理論を学んだあとに読むとよいかと思います。検索をどうやって作っているのかという雰囲気だけでも知りたい人は、定理の証明などはしっかりと追わなくても大丈夫だと思います。他、数学のお話以外に「検索エンジンはどのようにしてお金をかせぐのか?」とか面白いコラムもあります。

個人的には第9章のPageRankの計算の高速化に興味も持ちました。数値手法についてです。時間があるときにでも参考文献など読みたいです。

ちなみに、検索エンジンの話と関係ありませんが、ファイナンスの世界でも数値計算の高速化が重要視されています。オプション(あるものをある価格で買うことができる権利)価格を決めるブラック・ショールズ式というのがあるのですが、その微分や2回微分(デルタとガンマ)を数値計算するのにマリアバン解析の理論を使います。これを使うと、真の値に早く近づくみたいです。(マリアバン解析は数理ファイナンスなどの世界でしか応用されているというのを聞いたことがないのですが、こんな検索の手法とか他の分野にも応用されているんでしょうか。)

少し話が離れたところもありましたが、検索の技術にも数学が背景にあるということを知ることができる本で、大学で数学を勉強してきたけど、生活の中で数学がどこで生きているのかということに関心がある人におススメです。

大学の数学(2年生)

大学2年生になると、数学の専門科目が増えてきます。大学1年生のときに学んだ線型代数の続きや解析学の続き、さらに代数学や幾何学なども入ってきます。どの科目も大事ですが、集合・位相はしっかりと学ぶ必要があると思います。集合は高校数学に少し学ぶ科目で、数学Aで空集合やらド・モルガンなどを学んだと思います。

集合・位相は大学によっては1年生でやるところもあるようです。なぜ集合・位相が大事かというと、大学3年生で学ぶ積分論や関数解析学、その他の数学につながりのある科目だからです。ただ、はじめはとっつきにく科目だと思います。自分も大学1年生のときに勉強していたのですが、はじめはよくわかりませんでした。しかし、他の数学の科目を学んでいるときに、集合・位相の専門書を読み返していたのですが、だんだん慣れていきました。

使っていた専門書は以下の本があります。最近はわかりやすい専門書も出版されていますので、書店でぱらっと読んで使いやすそうなものを購入された方がいいと思います。2つ目の本はちょっと軽そうな感じの本ですが、結構こまかく議論されているので、集合・位相の考え方に慣れない人にとってはとっつきやすい本だと思います。ただ、内容はそんなにつまっているわけではないので、松坂先生の本などにうつられるとよいと思います。





2010年4月30日金曜日

大学の数学(1年生)

大学に入ると、大抵の理系学部は「微分積分学(解析学)」と「線形代数」を学びます。微分積分学は高校の時の数学Ⅲでやった微分積分をもっと厳密に定義して議論したり、もっと複雑な計算をやっていきます。線形代数は、高校の数学Bでやったベクトルや数学Cでやった行列などとつながりがあります。

高校までの数学と大学での数学は違うという話を聞きます。そこで、数学の分厚い有名な専門書などに取り組もうなんて思っていると、挫折する恐れ大です。

大学での数学の学びも高校まで勉強していた方法と同じように、演習問題を解くことは必要です。数学の講義を聞いていたり、定理や命題などを理解するだけでは不十分、というかよくわからないと思います。ので、しっかりと問題をこなすことは重要です。よく数学は暗記科目ではないという話を聞きますが、暗記が全く不要な学問ではないです。大学の数学の定理の証明の中にも、大学受験数学的なテクニックが使われていたりと、型みたいなのを覚えておくのは大事だと思います。

専攻などによって多少事情が異なるかもしれませんが、市販されている微分積分学や線形代数の演習書などを1~2冊やれば、大学院入試に合格できる力はつくと思います。

参考までに、よかったと思う専門書は以下です。1から読むという類の本ではないですが、かなり詳しく載っています。演習書に関してはたくさん出版されていますので、使いやすそうなものでいいのではないでしょうか。






以上です。

2010年4月28日水曜日

業界・職種と大学の専攻について(特にファイナンス関係)

今回は、大学の専攻と業界(職種)について述べようと思います。

金融機関の就職説明会なんかにいくと、学生がよく「ファイナンスや経済学を専攻していないのですが、大丈夫でしょうか?」という質問をしています。ほとんどの企業の採用者側は「ほとんど関係ない」とおっしゃっていて、うわべだけではないみたいです。実施に内定者の出身を聞いてみると、ファイナンスとは全く関係ない専攻の人たちもちらほらいました。

クオンツ(金融工学コース)について同様のことがいえます。正直、大学院レベルの金融工学の知識が全くなくても(わかっていなくても)、採用されることもあります。たぶん、そういった他分野の人たちはすごい専門性をもっていたり、何か光るものをもっていたので、採用されたのでしょう。

ところで、金融工学やファイナンスなどを専攻しているからといって、必ず金融機関でクオンツをやれるとは限らないようです。最近見つけたサイトなのですが、参考になるかと思います。

とある「元」ヘッジファンド運用者のつぶやき(新卒の面接の作法:「金融専攻です」と言うのは不利。)

就職活動をしていて感じたのは、金融機関で働いているクオンツといっても、様々なレベルのクオンツがいます。数学でバリバリ理論系のクオンツもいれば、理屈はわかんないけど計算だけできるクオンツもいますし、IT関係の仕事が得意なクオンツもいます。

何を勉強しておけばいいというわけではないですが、よく紹介されているのが、



です。ゼミなんかで大学3年生くらいから読めるみたいです。解答集も別売りしています。




他には、





があります。これも基本的に大学4年生~大学院1年生くらいまでのレベルだと思います。ただ、翻訳した方に直接話をうかがったのですが、やはりここまでくると翻訳本ではなくてそのまま洋書で読んだ方がいいそうです。1は大学2~3年生でも読めると思います。

他にもダフィーやシングルトンなどちょっとレベルの高いファイナンスの本がありますが、本当にガチで金融工学を専攻したいのでなければ、読むことはおススメしません。一般の読者には挫折する恐れ大です。数学の関数解析やら積分論やらが必要となって、さらにミクロの上級レベルの知識や計量経済学などの知識も必要で、学部でこれらの本をちゃんと読みこなせる人は見たことがありません。(もちろん、自分も読めませんでした。)





以上です。

2010年4月27日火曜日

就職活動全般(国家1種、官僚)

せっかく就職活動をしてきたので、数学にはほとんど関係ないですが、国1についても触れたいと思います。国1はいわるゆ官僚といわれる職業で、国の政策を考える仕事です。詳しいことは、省庁のホームページをみていただくことにして、自分が関心のあった、財務省、経産省、金融庁、総務省について簡単に触れようと思います。

財務省のホームページは以下です。
財務省
国のお財布的な役割を担い、昔の大蔵省です。財務省の説明会には何回か参加したりして、若手の方たちはとても素晴らしい人たちが多いと感じました。ちょっと前に、高橋洋一という有名な先生が財務省(当時大蔵省)にいて、若手の人たちはこの先生をすごく高く評価されているみたいでした(上の年代は・・・・)。留学もほぼ全員させてもらえるみたいですが、やはり仕事は激務みたいです。

経産省については、昨年の夏ごろは第一志望にしていました。
経産省
自分が思い描いていた官僚の像とはかけ離れていて、すごく魅力的な仕事だと感じたからです。長期のインターンシップにも参加して、とても勉強になりました。ここは色々なことに手を出していて、BOPやら中小企業対策やら金融やら多くの仕事をやれそうだと感じました。

金融庁は、もと大蔵省で、金融機関の規制などをおこなっています。
金融庁
ここも説明会には何度か参加して、職員さんも交えたグループディスカッションなども楽しかったです。テーマは、格付け機関に対する規制など面白かったです。

総務省は、たまたま説明会でいった感じでしたが、職員さんの方たちがすごく熱かったです。
総務省
私が参加したのは、クラウドの政策に関する勉強会でしたが、なかなか面白かったです。

以上の4つが主に考えていた省庁でした。官僚は世間的にはたたかれていて、あまりいいイメージはなかったのですが、自分の目で確かめにいくと必ずしもそうではないということがわかりました。ただ、とある省庁は・・・という感じもありました。経産省のインターンで高いビルから隣の屋上をみていたのですが、お昼休みに何時間も日向ぼっこしている職員(しかもトランクス1枚で)らがいたり、テニスをしている職員がいたりで、そりゃあたたかれても仕方ないなと思いました(笑)。

ちなみに、自分は民間の就職活動に時間を入れ過ぎたということと、これから研究に力をいれていきたいということで、官僚の道は断念しました。志が大事だとは思っていましたが、必ず官僚でなければいけないというわけでもないですし、民間でも輝いて仕事をすることはできます。要は、自分の情熱や志さえあれば、どこでも頑張ることができるという考えです。

あと国1の筆記試験は、大学と大学院で勉強をがんばっていればいいみたいで、問題をみたのですがそんなに変な問題は出題されていないようでした。しっかりと対策をすれば大丈夫な感じがしました。それよりも、官庁訪問の方が大事らしく、官僚の道を目指す人は、そこらへんの対策をしっかりと対策した方がよいでしょう。(あと、採用には学歴は関係ないみたいですが、東大(院も含めて)ですと色々な人たちと接触する機会が普通の人より増えますので、できるなら東大がいいでしょう。自分が経産省のインターンシップに参加できたのも、東大の院だったからでしょう。)

数学を学んできた人向けの就職活動(他の業界)

数学を学んできた人たちの就職先は、アクチュアリーやクオンツ、教員の道だけではありません。銀行や証券、保険会社で就職した人たちもたくさんいます。自動車メーカーに就職した人たちもいますし、コンピューター関係の仕事をやっている人たちもいます。コンサルタントで働いている人たちもいます。会計士や税理士、司法書士になった人たちもいますし、国家公務員になって官僚の世界で働いている人たちもいます。もちろん、そんなに多いというわけではないですが、数学関係の研究をして、研究所で働いたり、大学の先生になった人たちもいます。

数学を学んできた人たちには多様な進路があると思います。ただ、研究の道を志すのでなければ、そんなに高度な数学は身につけなくてもいいです。ぶっちゃけ、大学の数学がほとんどできてなくても、一流企業に就職できている人たちもたくさんいます。自分はそんな光景を目の当たりにして、「大学でまじめに数学をやっているよりも、単位などは要領よく取得して、就職活動対策していた方がいい」と思ったくらいです。就職活動塾的なものや、就職サークルみたいなのもあるそうです。多少参考にはありますが、あまりそれに時間を取られていたり、お金を払ってまで就職活動対策するのはどうかと思いました。しかし、こんな時代ですから、きれいごとばかりいってはいけないので、自分も大学院1年の後期にはほとんど講義はでませんでした。これは自分だけではなく、ほどんどの大学に起きている現象で、企業側にとっても学生側にとっても大きな負担になっています。(もっといい採用方法があるのではないかと思うのですが、今のところいいアイデアはないようです。)

企業は大学の数学がどれくらいできるかなんて、ほとんどみていません。それよりも「うちの会社に貢献できるような人か」という点であったり、「一緒に働きたいと思うか」という点をみています。社会人としての基礎力といいましょうか。最低限の礼儀であったり、コミュニケーション能力であったり。ただし、採用担当者も賢者ばかりではないので、馬があわなければ、縁がないというケースもあります。採用枠もあって、運みたいなところもあるのと思うので、不採用でもあまり気にする必要はないと思います。資格試験や大学受験などと異なり、客観的に審査されているわけではありません。採用担当者は全力を尽くされていると思うのですが、同じ人間なので、主観が入ることもあります。

以上になります。

数学を学んできた人向けの就職活動(数学の教師)

数学の教師(主に中学や高校)になるためには、まず数学の教員免許を取得する必要があります。一般的には4年制大学の数学系の学部に入学して、そこで免許を取得するための科目を履修したり、教育実習などにいったりします。難しいことは何もなく、まじめにコツコツと勉強しておけばいいです。ただ、講義をたくさん受けたり、教育実習等で1か月くらい時間を取られたりするので、ちゃんと目的意識をもってないと、途中でやめたくなるかもしれません。(また、通信でも免許が取得できる大学があるみたいです。)

数学の先生になるためにはどこの大学がいいということはありませんが、大学によっては結構力を入れているところもあるので、ホームページなどを確認されるとよいと思います。そういった大学には教員になりたいという学生も多いので、色々と情報交換もできるみたいです。

数学科でなくても、他学部受講の手続きみたいなものをすれば、数学の教員免許が取得できます。さらに、大学の制度によりますが、頑張れば英語や理科や社会の科目も取ることが可能で、複数科目の教員免許を取得できる大学もあります。(ただ、本採用されやすくなるかどうかはわかりません。)

免許を取得した後は、6~8月に実施される公立学校の教員採用試験を受験するか、私立が独自で募集しているので、そこに応募して受験するかになります。

もし何も情報源がなければ、以下のサイトが役に立つと思います。
東京アカデミー
学校教職員公募

また、以下の本が参考になると思います。





本採用になるまでは塾でアルバイトをしてスキルを磨くのもいいですし、大学・大学院在学中に非常勤で働くのもいいかもしれません。実は、東京都内の偏差値55前後の私立中高一貫の非常勤講師をやる話が入ってきて、教頭先生が「本採用になれば、うちは民間の金融機関の平均年収くらいにはなるから、給与面では心配いらない」とおっしゃってました。知り合いの方で23歳で英語の非常勤をやっている方がいるのですが、その人も大学新卒の初任給より+5~6万ほど多いと聞いています。公立高校も比較的いいみたいで、退職金もかなりの額がもらえます。一流や有名高校もなかなかいいと聞きます。しかし、仕事は激務の学校もあるので、なんともいえません。給料ではなくて、子どもが好きで、子どもと一緒に成長していきたいとか、本当に教えることが好きでないと続かないと思います。

塾や予備校の先生もそんなに悪い給料ではないみたいです。どっちがいいということはないのですが、比較的自由度が大きいのは塾や予備校だと感じました。学校に勤務するとなると、かなり拘束を受けますが、安定はしているので、そこらへんの選択は価値観によるのでしょう。ちなみに、塾や予備校の先生には資格は必要ありません。実力によっては稼ぐこともできますが、ほんの一握りでしょう。先ほども申しましたように、教えることが好きでないと、なかなかやっていけないのではないかと思います。

ちなみに、教育関係の本で面白いなと思ったのが以下の本です。25歳くらいで大学に入学し、教師になった方のお話です。




以上です。

数学を学んできた人向けの就職活動(アクチュアリーとクオンツ)

最近まで就職活動をしてきたので、この記事から書いていこうと思います。

数学を学んでいる人たちにどんな職種があるのかというと、主に以下があります。

・数学の教師
・数学の研究者
・アクチュアリー
・クオンツ

おそらく、数学の教師と数学の研究者は想像がつくと思うのですが、アクチュアリーとクオンツははじめて聞いたという人もいるでしょう。今回はこの2つの職種について紹介しようと思います。簡単にいうと、アクチュアリーは保険会社で会計数字のチェックをする人たち、クオンツは高度な数学やITの技術を使って金融取引の戦略などを考える人たちです。

アクチュアリーについては、
アクチュアリー試験数学の研究
クオンツについては、
金融日記
がためになるサイトだとと思います。
(ただ、クオンツについては時代が違うので、現在とギャップがあります。)

アクチュアリー採用をしている企業は、上のサイトを参考にしてください。クオンツに関しては、金融工学コースなどとよばれることもあります。採用している有名な企業は、

MTEC
三菱東京UFJ銀行
みずほ第一フィナンシャルテクノロジー
東京海上日動
第一生命
損保ジャパン
三菱UFJ證券
野村證券
大和証券キャピタル・マーケッツ

などがあります。ベンチャー系や中小企業(必ずしも金融工学コースやクオンツ採用というわけではないですが、金融工学に関係する職種がある企業)では、

ニューメリカルテクノロジーズ
シンプレックス・テクノロジー
TGIフィナンシャルソリューションズ
クオンツリサーチ
金融エンジニアリング・グループ
センティリオン

などがあります。就職サイトなどで「クオンツ」や「金融工学」などで検索をすれば、他にもでてくるかもしれません。

外資系金融機関は詳しく調べてないのでわかりませんが、ゴールドマンサックスやBNPパリバにはクオンツをやっている人と話したことがあります。ただし、新卒でストレートに入ったという人はあまり聞いたことがありません。サブプライムショック前は、新卒でクオンツ候補を積極採用していたみたいですが、リーマンが破たんした後に、クオンツ部門をなくした金融機関もあるようです。(クオンツでなくてもいいならば、積極的に採用している外資はあります。)

ロイターの記事ですが、米ゴールドマン、クオンツファンドのGEOを閉鎖(2010年1月25日、ロイター)が参考になるかと思います。ちなみに、「ゴールドマンは、同社のクオンツ投資戦略グループのロバート・リターマン会長が1月末で退任することも明らかにした。」と記事に載っていて、リターマンはあのブラック・ショールズ式で有名なブラックと「ブラック・リターマンモデル」を開発した計量系の人です。

数学を学んできた人向けと書きましたが、数学科出身でなくても大丈夫です。文系の人でもアクチュアリーはいますし、大学の数学がわかっていない人でも大丈夫だと思います。ただ、数学に対して拒絶反応がなければいいです。必ず大学の数学をやっておく必要はありません。

ただし、アクチュアリーとクオンツ採用はかなり人数が少ないです。1社に多くて採用は10名くらい、少ないところだと1~2名という企業もあります。その枠に何千人も応募してくるので、かなり倍率は高いです。実は私も3社(2社は外資)ほどリスクヘッジの意味でアクチュアリー採用を受けていました。今年の1月ごろに受けてみようかなあと思いつきで受けて、全部最終段階くらいまで進んだのですが、その企業のことが第一志望でないみたいな生意気ないい方をしたので、全部落とされました(笑)。ちゃんと社会人の対応をしましょう。

アクチュアリー・クオンツ採用でなくても、入社後に勉強してアクチュアリーとして働いている人たちもいます。逆のパターンで、アクチュアリー採用でも、アクチュアリーの正会員になれなかった人たちもいます。社会人になってからも勉強できる人たちか、もしくは学生の頃に勉強しまくっていた人たちが受かるのかもしれません。

以上になります。

このブログについて

はじめまして、takaといいます。現在は東京大学大学院生の修士2年生で、数学関係の研究をやっています。今年の3月に内定をいただき、来年度から民間で働く予定です。

このブログは主に数学に関する話題を取り扱っていきます。ただし、あまり抽象的な難しい議論はしません。どちらかというと、一般の人たち向けにわかりやすいような内容にしていくつもりです。数学の面白い話だけではなく、数学を学んでいる人にはどんな進路があるのかとか、そんな話もしていく予定です。

今考えている項目は以下です。

・数学はどこで生きてるのか
・小学校の算数
・中学校の数学
・高校の数学
・大学の数学
・高校受験について
・大学受験について
・大学院受験について
・数学を学んできた人向けの就職活動
・数学教育全般

私が想定している読者は高校生から大学生くらいです。もちろん、中学生や小学生でも歓迎しますし、社会人の方たちも見ていただければ、とてもうれしいです。

なぜ、高校生や大学生を対象者としているのかというと、この時期が進路について一番悩む時期だと考えているからです。特に、高校や大学で学んでいることが役に立つのかとか、将来の進路がわからないと考える年頃でしょう。私自身もこの時期は悩み、学校を中退したり、フリーターをやったりしていました。

色々と悩む中で、やはり数学を学びたいという意識が高く、私は大学受験することを決意しました。数学をきちんと学びたくて大学に入り直し、大学院でも数学を応用させる研究をしています。また、民間でも数学を使う職種で、私の軸は数学であるといってもいいくらいです。

色々と勉強をして、10代のころに比べるとだいぶ視野が広がってきました。もちろん、自分の歩んできた道が絶対に正しいなどとはいいません。むしろ、学校などを中退している分、普通の人よりもちょっと変わった経歴をもっているので、かなり遠回りしてきたかもしれません。

ただ、世の中には自分みたいな人間もいて、そんな生き方もあるんだ~って思ってもらえればうれしいです。そして、高校や大学で学んでいる授業がどのように役に立つのか(もしくは、どんなことが面白いのか)ということを伝えていきたいと考えています。

リモートワークについて

また久しぶりにブログを書きます。最近はリモートワークで、通勤時間が減ったことにより、より時間が有効活用できるようになったので、また読んだ本のアウトプットをする機会をまた作っていこうと思います。 3月ごろからずっとリモートワークをやってきており、はじめは慣れない部分もあり、効率...