2010年6月15日火曜日

Googleの検索エンジンと数学

今の時代、何かわからないことがあると、グーグルやヤフーなどで検索することは当たり前になってきましたが、(テレビや携帯電話と同じように)その仕組みはどうなっているのかというと、わからない人がほとんどでしょう。しかし、下の本を読めば、大学の数学で学ぶ線型代数や確率論(主にマルコフ連鎖)、グラフ理論などが検索エンジンの背後にあるということがわかります。



ただし、数学用語のノルム、固有値、ジョルダン形やマルコフ連鎖、推移確率行列やグラフのノードとか全く聞いたことがないという人にとってはちょっとしんどいかもしれないので、この本の15章にある数学的基礎を読んだり、線型代数、確率論、グラフ理論を学んだあとに読むとよいかと思います。検索をどうやって作っているのかという雰囲気だけでも知りたい人は、定理の証明などはしっかりと追わなくても大丈夫だと思います。他、数学のお話以外に「検索エンジンはどのようにしてお金をかせぐのか?」とか面白いコラムもあります。

個人的には第9章のPageRankの計算の高速化に興味も持ちました。数値手法についてです。時間があるときにでも参考文献など読みたいです。

ちなみに、検索エンジンの話と関係ありませんが、ファイナンスの世界でも数値計算の高速化が重要視されています。オプション(あるものをある価格で買うことができる権利)価格を決めるブラック・ショールズ式というのがあるのですが、その微分や2回微分(デルタとガンマ)を数値計算するのにマリアバン解析の理論を使います。これを使うと、真の値に早く近づくみたいです。(マリアバン解析は数理ファイナンスなどの世界でしか応用されているというのを聞いたことがないのですが、こんな検索の手法とか他の分野にも応用されているんでしょうか。)

少し話が離れたところもありましたが、検索の技術にも数学が背景にあるということを知ることができる本で、大学で数学を勉強してきたけど、生活の中で数学がどこで生きているのかということに関心がある人におススメです。

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